令和5年も終わろうとしています。
今年一番、相談が入った内容は、ダントツで「ハラスメント」
なのですが、二番目に多かったご相談は、「労働時間管理」でした。
給与計算をしていても「おや?」と思うことが多いのですが、
1分~10分程度の遅刻者が続発しています。
先週も今週も、遅刻者の件でご相談が入りました。
なぜ、遅刻が多いのか?
肌感覚では、1分単位の労働時間管理が影響していると感じます。
昭和といえば、
「始業時間の30分前には到着して、仕事の段取りや清掃をするのが当たり前」
でした。
平成になって
「30分前って労基法違反でしょ!」
「清掃は身の回りだけなら、せいぜい10分前からでしょ!」
のような流れになって、
令和は
「労働時間は始業も終業も1分単位です!!」
と、より厳格になってきました。
そうなると、労働者は
「9時始業なら、9時に間に合えばよい」
というギリギリの心理が働き、ちょっとした通勤事情で数分の遅れが出やすくなっているようなのです。
「終業時刻に5分カットとかあるんだから、1~2分遅刻したって相殺してよ~」
なんて意見も聞こえてきますが、
終業時刻の5分カットには
「労基法違反」という意見はまかり通るかもしれませんが、
1~2分の遅刻は労働契約としてはまかり通りません。
労働契約が9時~18時の1日8時間労働であれば、
「9時には就業できるようにしなければならない」のです。
遅刻や早退、欠勤は、それぞれの事情で仕方のないと捉えられるときもありますが、
本当は労働契約違反なのです。
たかが1分、されど1分。
令和の事業主にとって、
残業を1分で管理しなければならないのですから、
1分の遅刻を見過ごせなくなってしまうという心理が働くことは当然のことなのです。
遅刻に制裁規定を設けたいという事業主さんも増えてきています。
社労士がこういうことをうかつに口にしてはいけないのですが、
1分単位って正直、息が詰まります。
「ちょっとトイレ長いよね」
「また、喫煙タイムかよ」
「雑談多すぎ!」
「また、渋滞?」
など、小さなことが、大きく感じるようになってきています。
労使双方で働きやすい職場とは…
社労士も考えさせられますが、
労使それぞれが、きちんと考えるべき時代なんだと思います。
Comments